参加者感想| NPO法人 大谷石研究会

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大谷石シンポジウム に参加して 2012.09.29. 

 アトリエビーツー  黒沢ミユキ

先日は竪抗見学、大谷石の建築探険、大谷石の窯で焼いたピッツァ体験、シンポジウムと盛りだくさんの意義ある一日を過ごさせていただき、たいへんありがとうございました。

参加者の意見としてお送りしたほうが、客観的な意見として聞きやすいかと思いましたので、私感を述べさせていただきます。拙い考察ではありますがご参考にしていただければ幸いです。

□ 旧大谷公会堂の移築・再生について □

更田時蔵氏設計の公会堂は、ライトの影響を受けたデザインの積石造建築と、シンポジウムのポスター画像で拝見してから・・・こんな建築が大谷にあるのか、とたいへん楽しみにしておりました。
 実物を拝見して、時を経て優化した様子も含め、たいへん感銘を受けました。
 ただ、車通りの多い道路の傍に廻りを囲まれながらの立地と、オリジナルから変えて工業製品を多用して改修された内装は少し残念に思いました。

 あの地から移築・再生する計画があると知り、たいへん有意義な計画だとは思いましたが、移築されて、現在の佇まいが失われてしまうと、とても残念な結果になってしまうのではないかと危惧しております。

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小野口理事長のお言葉にあった
石工の技術と あの建築を再生できる大谷石(材料)が失われてしまってからでは遅いのだ!というお話を聞き、移築を急がれている意味を理解いたしました。

それを聞いて思ったことですが・・・


伊勢神宮の式年遷宮
ご存知のように、伊勢神宮は20年に一度、価値ある建物を建造し直すのですが何故だろう?と神官さんのお話を聞きに行ったことがあります。建築だけではなく、お供え物のお米の栽培のしかたから、献上する織物の生糸のとりかたまで、ありとあらゆるものの作り方の作法がこと細かく決まっていて、それらをつくる『技術』を継承するために20年に一度遷宮をするのだということを知りました。だから一番古くて、一番新しいのだと。技術を継承するために新しく造るということは、たいへん意義のあることだと思います。


能登“中谷家” 漆蔵 (能登天領庄屋中谷家)
能登の庄屋であった中谷家には、県指定有形文化財の漆塗りの蔵があります。
ただ、ご当主の話によれば、漆塗りの蔵の内部は、梅雨時にはびっしりと水滴がつき、蔵としての保存の機能は果たさないのだそうです。ではなぜ漆塗りにしたのか。
それは昔の公共事業のようなもので、輪島の漆塗りの職人たちに職を与え、技術を磨かせるために 漆塗りの蔵を建設するという大事業を実行したのだそうです。壁は一度建設され、解体して、部材のすべてに大勢の職人が漆塗りをほどこした上で、また組み上げられたのだそうです。
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ただ「貴重な建物だから保存しましょう」ということではなく「技術継承の場として」

★大谷の産業復興、技術の伝承、石工の技術研鑽の場として「大谷公会堂」を駐車場のある多くの方が集まりやすい地に新たに建築し、建築当初のオリジナルを復原する。
 貴重な図面が現存しているわけですし、それを建築してゆく中で理解するということは、とても意義のあることだと思います。

★現在の建物はあの地に、風格が失われないような方法で、外観はできるだけオリジナルのカタチに戻して、内部は復原とは逆に、内部の構造がよくわかる状態で保存する

という2方向での保存、再生ができないか、と思いました。
産業振興という観点を加えれば、自治体も動きやすいのではないでしょうか。
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★最近の若い建築家の方の中にも、大谷石のひなびた風合いを好きで上手に使っている方も多くみかけます。そんな大谷石LOVEの建築家の方々に、上手な利用法などを語っていただくことも、今後の若い建築家の方々への啓蒙になるのではないかと思います。
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更田さんに紹介していただいて、大谷の見どころを歩いてきましたが、Facebookなどで紹介すると、「知らなかった」、「行ってみたい」という友人も多いです。
宇都宮や大谷の現地の方々にしてみれば、みんな知っているけど飽きてしまって、あるいは興味がないから来なくなったんだ・・・と思っていらっしゃるかもしれませんが、とんでもないと思いました。昔は名所で賑わっていたのだと思いますが、我々やその下の世代にとっては、知らなかった、こんなところがあるんだという新鮮な場所です。
大谷のいいところを再発見してもらう旅のススメをたくさんすべきだと思いました。
以上です。